我が家のフェルデンレッスン室脇のテラスにはビワの木が一本。今年はたわわに実がなっています。毎年庭師さんに剪定をお願いしていましたが、昨年は庭師さんの都合でお願いが出来ず、そのまま放置していたのです。ですから前の年にできた花芽が全部そのまま実になったわけです。
我が家のビワは、長ーーい年月を経てここまで育ちました。そもそもこのビワがここに根差したのは・・・。
私が4歳の時のある日の事。母が私の食べていたビワの種を見て、この中には小さなスプーンが入っているのよ、というのです。可愛らしい物が大好きだった私は、たまらなくその種の中を見たくなってしまい、どれ?と尋ねました。すると母は包丁で種をまっぷたつに切り、中身を見せてくれたのです。中は乳白色をしていました。そして・・・。
私はその初めて見る種の中身を身を乗り出しながらながめました。するとほんとうに小さな白いスプーンが見えたのです。それはそれは可愛らしくて小さなスプーンで、幼い私にはまるでビワの木の妖精がそれを使ってスープを飲んでいるかのように感じられました。私はそれからというものこの可愛らしいビワの種に夢中になってしまい、手に入れられる種という種を集めて回ったのです。そうこうしている間にビニール袋一杯の種が集まりました。
母は、せっかく集めたのだから庭に蒔いてみたら?と言うのです。全部蒔くわけにいかないので、私は十粒ほど選んで庭に蒔いてみました。蒔き時も調べることなくただ土に埋めただけなのにその中から4本芽が出て、1本は私の背丈くらいまで伸びてきたのです。
13の時、引越しをすることになり、その時1.5メートル位に伸びていたのを移植して今の我が家にビワの木がやってきました。その後テラスを作ることになり、ビワの木の為にテラスをくりぬいたのです。こんな経緯を経て育った我が家のビワは、もう何十歳、毎年たわわに実をつけるようになりました。6月のレッスン時にはテラス脇のレッスン室でのレッスンに加え、生徒さんにビワもぎも楽しんでいただけることもあるかもしれません・・・。