演奏者とフェルデンクライス

私は長年演奏活動をしてきて、フェルデンクライスと音楽の演奏方法との関係についてを考えてきました。すべての楽器、全ての演奏方法の改善に共通なことは何なのでしょうか・・・。

私は、音を奏でる時大切なのは、その体の力が抜けていることと呼吸が十分入っていることであると感じています。体に力が入っていると、音を奏でにくくなります
これは、体が思うように動かなくなるからで、恐らく多くの演奏家の方が感じた経験をお持ちなのではないかと思います。。

又、体に力が入っていれば奏でられる音の質は硬くなります。演奏に余裕がなくなるからです。こういう音は聴衆との間に壁を作ってしまい、音は上手く聴衆に伝わっていかないように感じます。奏でた音のはば以上の動きのゆとりがあってこそ音は優雅にかつ美しく人々の心に届くようになります。声楽であれば、高音を出した時にその上の音にも進んでいけるはばを感じる声、と言い表せばよりはっきり伝わるでしょうか。

次に呼吸についてです。
まず人にとって呼吸が入ることは必要不可欠なことですが、特に演奏者にとって呼吸が沢山入ることは欠かせないことなのです。演奏者が演奏をやり通すには相当な体力が必要で、体力を作るのは呼吸だからです。息が入らなければ演奏者は曲が終わる前に疲れ切ってしまいます。

又、小難しい話ですが、呼吸が入ると副交感神経が優位になります。神経系の構造がそうなっているのです。副交感神経が優位になると、右脳が活発になります。

人の脳はおおざっぱに分けて右脳と左脳にわかれていることはご存じの方が多いと思います。これもおおざっぱですが左脳は考えおしゃべりをし、右脳は感覚を研ぎ澄ませます。右脳が優位になれば人はおのずと芸術的な感性が光り、音を感じ音に入り込み、心から演奏したいという気持ちになれるのです。

私自身演奏活動を始めた時にはフェルデンクライスを知りませんでした。舞台に上がれば緊張し、歌詞を忘れないことだけで精一杯だったように感じています。当然表情も硬かったでしょうし、それを聴く聴衆も一緒に緊張していたことでしょう。

フェルデンクライスは誰にでもできる優しい動きの切り返し。動きを通して体の力が抜け、呼吸が改善して行きます。フェルデンクライスを知ってからは自分が音楽に入り、音と共になり、聴衆に音が届く幸せを感じています。演奏時に体中に音が鳴り響くのも感じます。

フェルデンクライスはもはや私の体の一部。特に音楽を奏でる時、フェルデンクライスを知っていて良かった、と幸福に浸っているのです。今私は一人でも多くの音楽家の方にフェルデンクライスを知っていただけたらなあ、と思っています。

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気づかぬ癖で痛みはありませんか。

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