フェルデンクライスメソッド

ながらフェルデンウオーキング

若いころ、私は骨密度が相当高く、人に誇れる位でした。母のお腹にいた頃、母が気遣ってそうとうな量のカルシウムを採っていた、と後に聞き、母に感謝もしていました。しかし、年齢が行くと共に骨密度が下がり始め、今では骨粗鬆症の疑いあり。とうとう今年のドッグでは精密検査、治療開始ということになってしまいました。

改めて検査結果を眺めてみると理由の一つに歩行不足がありそうです。わけあって家に車がなくすべての買い物を歩きでやっていた時期には骨密度がかなり上がっており、整形の先生に「何故かすごく上がっていた」と言われたことがあったのでそう思いつきました。骨にカルシウムを取り込むには、ビタミンDを採ることと骨に衝撃をあたえることが不可欠。ビタミンDは日光の中に沢山含まれています。ですから日光の下を歩くのが必要という世間一般の常識は本当なのだ!と思い知り、朝ウォーキングを始めました。

朝、まだ人通りの少ない時間におもてを歩くと、まず心を打つのが鳥たちの声。どこから聞こえてくるのかチチ、ピピ、と可愛らしい声が耳に飛び込み、辺りの光景がいつもと違って見えてくるのだから不思議です。
今(四月)の時期にひときわ高く響き渡るのはウグイスの美しい声。ホーというあの出だしの混ざりけのない透き通った声が辺りの空気を突き刺す時、わたしはいつも、ああ、こんな風に私も歌えたらなあ、とうらやましくなります。
でもウグイスはうまく歌おうなんて全く思っていないんですよね。私はいつもうまく歌おうとたくらんでいます。
ウグイスと私の違いはそこなんだよねー、と苦笑いしながらこの上なく上手に歌うウグイスが止まっていると思われる横を通り過ぎます。

ひときわ目立つのがガビチョウの歌声。中国の外来種だそうです。もともとは鳴き声が綺麗だということでペットとして飼われるようになったこのガビチョウ。ですが朝から晩まで歌い続けるので、うるさいと飼うのをやめる人が続出し、あげくの果てに日本に外来種としてやってきたのが始まりなのだそうです。我が家のレッスン室脇のテラスにこのガビチョウの巣が出来てある日見たら綺麗な青い卵が入っていました。ひなが孵るのを楽しみにしていましたが親鳥は我が家のレッスン室への人の出入りを感じて危険を察知したのか、とうとう卵はかえりませんでした。

そういえばスイスでは日本で聴くことのできない鳥の声を聴くことができました。くちばしがオレンジ色の黒い鳥ですが名前は未だに不明です。彼らは春が近づくと歌う準備を始めます。完ぺきに鳴くときはピーポピーポピーポピーポ、とそれぞれの音にドとミを当てはめる感じで歌を歌いますが、まだ寒いうちは完全に鳴くことが出来ず、ピーポピー、で終わってしまったり、ピーポピーポピ、まで鳴けたり、と彼らの悪戦苦闘が目に見えて歩きながら思わず笑みが出てしまったりもしました。

ながらフェルデンウオーキング

そんなことをボーっと考えながら歩いていると、今度は沢山の色が目に飛び込んできました。ある公共の建物前の花壇です。
手入れの行き届いたこの花壇は花だらけ、ともいえるほど春の花たちがらんまんに咲き誇っています。思わず立ち止まりかもし出される華やかな色取りに酔いしれ、歩みを進めれば高台からの絶景・・・。早起きして良かった、と思わずにはいられませんでした。

こんなウォーキングを楽しんでいると自然に心が和みます。今朝は鶯たちと一緒に時を過ごしながらフェルデンの歩行のレッスンを歩きに取り入れてみました。フェルデンクライスは床の上で寝ながらやる物ばかりというイメージがあるかも知れませんが歩きながらでも出来るんですよ!帰宅後に家の中を歩いてみたらなんと歩きやすかったことか!
ながらフェルデンウォーキング、お勧めです!