スタジオ前のテラス。このテラスのおかげで小鳥のさえずりとともにフェルデンクライスのレッスンを楽しんでいただいています。
テラス脇はレッドロビンの木を植えてあり、年数回剪定をしています。
一年前の事。この剪定をしようと脚立に上った夫の あ、鳥の巣がある、という声に皆が駆け寄り順繰りに脚立によじ登り鳥の巣を眺めてみました。
巣の中には鮮やかなブルーの小さな鳥の卵が・・・。いったい何という鳥のたまごなのでしょうか。
家族ラインで暫く談義になりました。調べると青い卵を産む小鳥は世の中に数種類あるようです。これでもない、あれでもない、と結論は出ずじまい。とうとう夫が知り合いの林野に詳しい方にご相談までしました。
するとその方がおっしゃるには、ガビチョウではないか、というのです。そうか、ガビチョウ。そう言えば隣人の間で、最近このあたりにはガビチョウが出ると話題になっていましたっけ。
中国からの外来種であるガビチョウ。鳴き声が美しくその昔はペットとして屋内で飼われていたものの、あまりに鳴き続けるのでしまいにはうるさいと見放されてしまったという歴史を持っています。これなら話はわかります。
ガビチョウの親鳥は果たして卵をかえしにやってくるのでしょうか。暫くは家族皆そんな興味でテラスに出入りを続けました。
ですが残念ながらガビチョウの親鳥はやってきませんでした。きっと巣を作り卵をかえした時にはこの辺りは静かで、安全なように見えたのでしょう。ですが、私たちの出入りを知りひなをかえすのを諦めたのでしょう。
巣はまだ残っているように見えますが数日前そのあたりを覗き込んでもあの青い卵は見当たりませんでした。卵のその後はどうなったのか、猫にでも狙われたのか、カラスにでも見つかって食べられてしまったか、見届けた者もいません。
そういえば最近、鳴き声も聞かれなくなってしまったなあ、などとレッスン室の窓越しにテラスを眺めながらうるさいほどよく鳴いていたガビチョウの声を懐かしく思いかえす今日この頃なのでした。