私は、フェルデンクライスの個人レッスンで、同意書を書いていただいています。レッスンをさせて頂く意義が理解されているかどうか、確認をとらなければならないからです。その同意書に、私は視力も書いていただいていますが、自分の視力を覚えていない、とおっしゃる方が沢山います。考えてみると私も大人になってから自分の視力を言われたことがあまりないなあと思うことが多いのは事実で、次回検査をしたら、聞いておかなければなあ、と思っています。
同意書に視力を書いていただいているのには、理由があるのです。レッスンの前と後とで、視力が変化することがあるからです。目玉を支える筋肉は頭の後ろ側に繋がっており、頭は勿論胴体に繋がっていて、フェルデンクライスをやって体の力が抜けた結果、目玉の位置がほんの少しですが変わることがあるのです。目は、体が固まっていればそれにつれて引っ張られ、ほんの少し奥に引っ込んでしまう場合があります。目玉の形だって微小に変わることもあるでしょう。実は私にはこんな経験があります・・・
私の目は近視になりにくいのか、年齢が上がるにつれ目が悪くなるということはありませんでした。ただ一つ乱視が強いのが難点で、これを矯正するための眼鏡をかけていました。ある日の事、懇意にしている眼鏡店に乱視矯正用の眼鏡の度数の調整に行ったのです。
その日の担当の店員さんは、私の度数を測って驚いた表情でこう言うのです。あら、右目の乱視が無くなってますねえ、と。店員さんは、前回眼鏡を作ってから今までに何かやりました?と聞かれるので、よくよく考えてみました。なにか運動をしたかなあ、とか何か治療をしたかなあ、とか。そして思いついたのはフェルデンクライスの教師養成コース。私が前回乱視矯正の眼鏡を作ってから始めていたことで思いつくのはフェルデンクライスしかなかったのです。
あ!!!!私はお店で声をあげました。店中の店員さんがこちらに注目しました。
私がその担当の店員さんに、実はフェルデンクライスという講座に通い始めたんです、かくかくしかじか・・・とお話ししたところ、フェルデンクライスという言葉をご存じなかった彼は大変興味を示してくださったのです。
結局その日私は乱視矯正をしない眼鏡を注文してお店を出ました。本当にフェルデンクライスで乱視が治ったのかはわかりませんが、嬉しさ半分、戸惑い半分、といった面持ちで。乱視が消えた分、それまで使っていた老眼鏡も使えなくなる可能性があるということですから・・・。思わぬ出費の可能性に嬉しい苦笑いをしたのでした。
(この眼鏡店は、本当に顧客の立場に立ってよく目を見てくださる眼鏡店なんです。このお店だったからこそこんなやり取りが生まれたのだと、私の話を受け止めてくださったお店に今でも感謝し、通い続けています。)