フェルデンクライス メソッド

フェルデンを感じる体

それは私が初めての声楽発表会を控えたある日のこと。声楽教室のある大学のキャンバス内を歩いていた時のことです。あ!まるで体がキャンバスの階段に吸い付くかのようにすうっと軽く上がっていったのです。え?何で?・・・

その当時私はまだフェルデンクライス教師養成に通っていました。コースは、講習に通っては自宅学習の連続。自学の間は同僚同士で練習をしあったり、学びあったり、という時間を過ごしていたのです。

声楽レッスンの発表会を控えたある日の事です。あるフェルデン教師養成の同僚と個人レッスンの練習をしあったことがあったのです。練習の際、私は数日後に人前で歌うという状況を話し、それを踏まえてフェルデンの練習をしてもらい、あとは発表会を待つばかりだったのです。

実はこのころ私は人前で歌うのがあまり好きではありませんでした。ですから、声楽を習ってはいても発表会に出ることをして来なかったのです。人前で歌うと自分にどんなことが起きるか全く想像がつきもしませんでした。

声楽を習い始めて10年ほどたったころ。もうそろそろ人前に立って見よう、という好奇心が沸き起こり、発表会に出させていただくことになりました。フェルデンクライスの同僚との練習はそんなお初のステージの為だったのです。練習前の私には、人の前に立った時、歌詞を忘れてしまったり緊張で声が震えたりしないだろうか、などという未知の世界に足を踏み入れる前の恐怖感がありました。そんなタイミングでの同僚との練習は、驚くほど私を落ち着かせてくれたのです。すっと伸びた体には十分すぎるほどの呼吸が入り、自由な気持ちに満ちあふれ、これでどんなことがあってもきっと大丈夫という気持ちになっていました。

数日後、私は発表会前の最後のレッスンへとキャンパス内の階段を上っていたのです。その時、え!!階段を上るために普段なら要る努力なしに歩いている自分を見出したのです。私の体は階段に吸い付くかのように軽く上がっており私は思わず嬉しくなり笑みがこぼれてしまったのでした・・・。

フェルデンクライスはこんなレッスンなんです。ふとした時に気が付く、影の力となることが多いのです。人の注意は悪いことに行きがち。痛いところは気になるけれど良いことにはなかなか気づかないものなのです。それだけに普段の何気ない動きの中にその成果を気づけたときには本当に嬉しくなります。自分の体の中に生きるフェルデンの存在に気づいて嬉しく思う瞬間は幾度かありましたが、初めての人前での歌唱を控えた時のその気づきは格別なものだったのでした・・・。

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知らず知らずのうちに体に負担をかけていませんか。
気づかぬ癖で痛みはありませんか。

フェルデンクライスメソッドは誰にでもできるやさしい動きの繰り返しからこんな負担を取り除いていくメソッドです。
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