フェルデンクライス メソッド

ちょうちんブルマーの思い出

ちょうちんブルマーの思い出

子供の頃のお話です。ちょっと自慢も入ってしまうかもしれませんが・・・。

私の通っていた小学校では体操着のボトムスがちょうちんブルマーでした。今では全く見かけなくなったちょうちんブルマー。幼少期私はそれを身に付けるのがあこがれでして、小学校に上がってこのブルマーを着る体育の時間をちょっと楽しみにしていたのです。

私はそのころ特に何かに秀でているわけでもなく、休み時間でもおとなしく静かに教室ですわっているタイプの子供でした。ですが、、、

毎年10月の運動会の時期になると各学年、出し物の準備に入り、普段の日常と違う日々が訪れます。授業で座っているだけの時間よりも刺激的なその期間を私は楽しみにしていました。
運動会の目玉は小学3年生以上が出場できる紅白対抗リレー。選手を決めるために体育の授業が一時間使われます。選手の決め方はとても原始的で、クラス全員でかけっこをして速く走れた人をクラスに二人探し出すという方法だったのですが、三年生になり、初めてリレーに参加できる年にはだれが選手になるのか、と心躍る気持ちを抑えることができなかったのを覚えています。
担任の先生が運動場のゴール地点に立って走ってくる生徒たちを目視し一番の生徒を探します。一番だった生徒たちが集合して又かけっこをやり一番速い二人が決まるまでかけっこをやり続けるという形で、その運動会に向けての選手選びは進んでいきます。

私の順番になりました。特に得意な物はなかった私ですが、低学年の頃かけっこだけはまあまあ早い方で、毎年ゴールすると1位、2位あたりのバッジを付けていただいていたものですから、ようし!とばかり全速力で走ってみたのです。
するとその列では私は一位だったらしく、先生が軽く私の頭に触れ、私は次なるかけっこでも走れることに・・・。二回目は速く走った生徒たちばかりの中で走るのですからおとなしい私でもアドレナリンが出て、周りの友人たちに勝ちたい気持ちが生まれてきたのです。

するとどうしたことでしょう・・・。その列でも、私は先生に頭をぽうんと触られました。え?という戸惑いの気持ちと、私、案外いけるんじゃない?という嬉しい気持ちとが入り混じります。最後の競争は、クラスの精鋭たちとの争い。
これは相当本気出さないと、と、さらなるアドレナリンを分泌させスタートラインに並びます。渾身の力を込めて走り終え、まあ、この人たちとでは無理だ、と皆が見守る場所に戻ろうとした瞬間、先生の手が、私の頭をぽうん、と・・・。
あまりのことに私はぽーっとしてしまいました。ええ!?私が、クラスの選手に選ばれたの???普段もの静かに過ごしていた私は突然クラスで注目の的となったのでした。ですが・・・。

本番は想像以上に厳しいものでした。リレーは運動会前半部の最後を飾る花形。
周囲の声援を受け鼓動は高鳴ります。あこがれのちょうちんブルマーを身にまとった私はスタートのピストルの音と共に駆けだしますが、本気を出して競ってくる相手チームに勝つのは至難の業。その時私は幼ないながらに、こう思っていたのです。もっと速く走れないものか、と。私はその当時子供でしたから、勿論体の構造などわかる由もありません。ですが、走る時になぜ足がこれ以上後ろにけりだせないのか、もっとうしろにけり出したい、けりだせないのがもどかしい、と肌で感じていたのです。

大人になり数々の事を経てフェルデンクライスプラクティショナーになった今、スポーツ観戦は人の体の構造を勉強する絶好のチャンスだと思うようになりました。
ちょうちんブルマーで体のラインを隠す世代の私にとっては思ってもみなかったほど肌に張り付くウエアーからは、競技の為に磨き上げられた選手たちの体の動きが手に取るように良く読み取れます。
特に陸上競技で走る選手の動きを見ていると、幼いころの私の走りに対する答えが見えてくるような気がします。速く走る選手は黒人の方が圧倒的に多いからです。彼らの臀部の形はとても特徴的で、日本人とは違って見えます。恐らく彼らの骨盤の向きが私たちとは違っているのでしょう。筋肉の付き方も違っているかもしれません。その体のつくりが、力強い走りやスピードに結びついているのだと感じています。
体のつくりが違う私たちが速く走ろうと思えば、それ相当の努力が必要なのだろうとも思っています。ですから陸上競技で日本人選手が上位に入ったときには、大きな拍手を送りたい気持ちになるのです。

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